密閉型ヘッドホンの完成形 FOSTEX の TH900 を購入しました
6年前に開放型ヘッドフォンとして audio-technica の ATH-AD2000 を買いました。高い買い物だったので、騙し騙し ATH-AD2000 を使ってきましたが、良い点も多々あるのですが、使うほどに粗が目立つようになってきます。数年使い続けてきて気になった点を上げてみる。
- オープンエアーのわりには音場が狭く音が近い
- 音の重なりの分解能が悪い
- 何度聞いてもやっぱり音がこもってる
- ヘッドの締め付けが強くて長時間聞いてると頭が痛くなる
そんな訳で音楽はスピーカーで聞くほうが圧倒的に多くなり AD2000 の出番は減りました。もっと音場が広く、もっと音の定位が明確で、もっと音がクリアで分解能が高いヘッドフォンが欲しいと思い続けてはや6年が経ち、選び抜いた末に購入したのが FOSTEX の TH900 です。今までは開放型厨房病にかかっていたのですが、密閉型も良いのを買えば音場も狭くないし開放感は十分得られることを知りました。
結論から言うと STAX、AD2000、ER、SHURE と高解像度タイプのイヤホン、ヘッドホンを好んで使ってきましたが、その中でも抜群に音がクリアで、解像度・分解能も申し分なく、音場も広く、ボーカルもほど程近く、しかも密閉で音がもれないという僕の中では過去最強のヘッドホンとなりました。何より見た目の高級感だけでも満足が得られます。
さらなる高みを目指すヘッドホン選び・・・
思えば、AD2000 の粗がきになるようになってからは、発売された高級ヘッドフォンは秋葉原に行くたびに何度も視聴してきました。でも満足の行くヘッドフォンにはなかなか巡りあえませんでした。そして最近 TH900 と巡りあう事になったわけですが、まぁ僕の場合、聴く頻度が多い曲はアニソンという点を理解して頂いてから、以下の感想を見ていただければと思います。聞く曲によってヘッドホンの選び方は大きく変わると思うから。
- SENNHEISER HD800 の所感 -
正直、SENNHEISER の HD800 にはかなり期待していたのですが、音場はこの上なく広く分解能も高いのですが音の輪郭がどうにもはっきりしない印象です。アニソンを聞くと、音の力強さがなく、ボーカルが遠く好みではありませんでした。クラシックは確かに良い音を鳴らしてくれるのですが、最近そんなに聞かないし。
- SENNHEISER HD700 の所感 -
一方の HD700 は全体的に高い点数をとる優等生で名高い機種で、ボーカルが近くなり、音の力強さも有り、アニソンに適する音に近くなったのですが、僕にとって音の明瞭さが今ひとつ足りません。何よりあの形が好きになれません。高いお金出すんだからもっと見た目に高級感を出してほしい。
- beyerdynamic T1 の所感 -
beyerdynamic の T1 も HD800 と並ぶ開放型高級機の代名詞とも言うべきヘッドホン。正確には半開放型のこのヘッドフォン。情報量や透明度は抜群で音に力強さも有り HD800 よりも好みでした。ただ妙に高音が耳に刺さる感じが気になり購入選択には至りませんでした。同じ傾向の t5p も見送り。形的には高級感も有り良い感じだったのですが・・・。
- ULTRASONE Edition8 の所感 -
見た目的に一番お気に入りだったのは ULTRASONE の Edition8 です。ただ試聴する機会に巡りあえずじまいで、さすがに音関係は好みにより満足度が大きく左右されるので、高い買い物を冒険することができずじまいです。
- そして FOSTEX TH900 との出会い -
そんなこんなで、最近雑誌でよく目にするようになったのが FOSTEX の TH900 です。t1 や t5p を超えるテスラテクノロジーを採用し、1.5テスラ(=15,000ガウス)を超える磁束密度を持たせたドライバーを採用し、高効率再生を実現することで、重低音から透き通るような高音域まで優れた再生能力を発揮します。そしてハウジングカバーに採用されている漆加工がなんとも美麗。日本伝統の高い技術が必要とされる漆仕上げには創業110年の坂本乙造商店の技術が採用されているとか。
※DENON D7000 が TH900 の OEM のようですが、見た目は似てますが中身は別物のようです。
- TH900の主な仕様 -
形式 | 密閉ダイナミック型 |
---|---|
ドライバー | φ50mmネオジウムマグネット/バイオダイナ振動板 |
再生周波数帯域 | 5〜45,000Hz |
インピーダンス | 25Ω |
感度 | 100dB/mW |
最大入力 | 1,800mW |
本体質量 | 約400g(コード含まず) |
ケーブル長 | 3m Y型 7N-OFC線 |
プラグ | 直径6.3mm 金メッキステレオ標準プラグ |
付属品 | ヘッドホンスタンド |
- TH900の主な特徴 -
- 反発磁界採用の磁気回路は磁束密度1.5テスラの新開発50mmドライバーユニットを搭載。低歪率で超強力磁気回路により広大なダイナミックレンジを提供。
- 振動板には「バイオダイナ」を採用。超低域の豊かな音、素直な中域、また、高音域については、特にプレゼンスに優れた再生音を実現。
- ハウジングの材料には肌目が緻密で堅く、表面が美しく仕上がる高級材「水目桜」を使用。
- 老舗「坂本乙造商店」による「漆・ボルドー仕上げ」のハウジングカバー。使われている漆は、ベースとなる黒漆と箔貼用の接着漆。奥行き感を最大に見せる部分には、硫黄でいぶした、何種類もの色銀箔を、ちぎり絵の様に貼りこみ。FOSTEXロゴはプラチナ箔貼り。
- 7Nグレード(99.99999%)の高純度OFC(Oxygen Free Copper:無酸素銅)コードと高強度のジュラルミンスリーブを採用。
- イヤーパッドの革には出光Grancuirを採用。卵由来のプロテイン配合で心地よい肌触りを実現。さらに本革対比60%の軽量化を実現。
そんなこんなで、久々のオーディオ欲をくすぐられ、最近の仕事繁忙によるストレス発散欲も重なり、思わず通勤中に購入ボタンをポチってしまったわけです。もっとも結論を前述したとおり満足の行くヘッドホンだったので、ヘッドホンの購入はここでターミネート。つまり終了です。
FOSTEX TH900 開封の儀
思ったよりもかなり大きな箱が届きびっくりしました。スタンドが同梱されているため箱が大きいのです。
箱はもちろんスポンジ製クッションが敷き詰められており、ヘッドホンもご丁寧にビニールにくるまれております。これが噂の新品の靴の匂いかっ!ってのを味わいました。確かに新品の靴の臭がします。思った以上に結構匂います。靴と一緒で数日もすれば匂いは消えていくと思います。ちなみにシリアル番号は1203です。世界で1200程度しかまだ売れていないのか・・・もったいない。そう思わざるを得ません。
イヤーパッドは本革ではないようです。このイヤーパッドの素材があの匂いを発してるのか?まぁでも触り心地も悪くないし、作りもしっかりしてるし、良い感じです。
専用スタンドに立てかけたヘッドホン。せっかくなのでスタンドを使って保管したいと思います。いやぁ〜それにしても見た目が美しい。傷がついたら泣いちゃいそうなくらい美しい。
今のところ、こんなかんじでテレビの横にスタンドを置いて使ってます。AD2000も気分を変えたいときに使うので売らずに使い分けていきたいと思います。
どこもかしこも品薄状態でなかなか手に入らない一品ですが、気になる方は思い切って購入しても満足行くヘッドホンだと思います。特にアニソン聞く用途なら間違いなしです。
コメントやシェアをお願いします!