甲状腺エコーで異常を指摘され精密検査して橋本病(慢性甲状腺炎)と診断されました(後編)
「甲状腺エコーで異常を指摘され精密検査して橋本病(慢性甲状腺炎)と診断されました(前編)」に続く後編です。前編で書いたとおり人間ドックで甲状腺に腫瘍性病変の疑いありと指摘され、生きた心地がしないので翌日速やかに精密検査を受けに行きました。
この記事を書いてる現時点では、まだ細胞診検査の結果待ちではありますが、現時点では橋本病(慢性甲状腺炎)と診断されています。後編では精密検査で受けたエコー検査の画像の公開と、僕がやった病院の探し方を紹介します。
同じく病変の疑いでエコー検査を受けることになった場合、多くの人がネットで甲状腺疾患とエコー画像のサンプルについて調べることかと思います。自分も検査結果がでるまでの一週間は調べまくったのですが、医療用の記事は正直解りづらいし、手術が必要な腫瘍のケースの画像が多くて不安が増すばかりでした。
エコー画像の公開については、いちいち自分が受けた検査画像を購入してまで体験談としてエコー画像を公開してる人はいなかったことと、素人目には腫瘍にしか見えない怪しい影が映ってるパターンでも橋本病ってケースがあるんだよってのを伝えたかったからです。
疑惑の甲状腺エコー画像
甲状腺エコー画像は病院によっては欲しいと言えば CD に焼いてくれるはず。今回かかりつけた病院では欲しいと伝えたら特に用途も聞かず快く画像を共有くれました。ちなみに 540 円かかりました。てっきり画像が入ってるかと思いきや Windows じゃないと起動しない専用の医療用プログラム形式だったので、mac しか持っていない人は残念ながら画像を見ることができないので注意が必要。
おかげで画像として取り込むのは多少苦労しましたが、元画像は 4961 × 7016 px という超高精細な画像でした。
さて本題。
こちらが右の甲状腺。足から頭方向に向かって輪切りにした画像として見ます。黄色い線で幅計測してる範囲が黒い影になってて怪しい部分です。怪しげな部分の大きさは幅は 6.3mm とでています。
同じ箇所を横から見たエコー画像。素人目には至る所に嫌な影が映ってるようにしか見えません。怪しげな部分の大きさは幅は 6.5mm とでています。細胞診検査のときには院長先生に施術してもらったのですが、最初にエコー検査をしてくれた人との会話がこちら。
院長先生「あーこれか。確かに黒いね。」
最初検査してた先生「でも、しこりじゃないんですよね。」
こちらが正常な左側の甲状腺。この画像を見せられた後に、右と比較すると全然違うでしょと説明されました。たしかに素人目にも違いは一目瞭然です。
横から見た画像もやはり全然違います。この時点で何かがあるのは理解してもらえたと思うけど、それが何かを検査していきましょう、と言われました。
右甲状腺に戻って、お次はカラードップラーによる血流の状態判別画像です。甲状腺や乳房などの腫瘍検査として有用らしく、血流が向かってくる方向が赤、遠ざかる方向が青で表示されます。当日この画像については説明が割愛されたのですが、とりあえず自分で見てわかるのは血流が活発ってことです。先生のリンパだと思うんだよねの発言は、この画像からも判断してると思われます。
こちらが正常な左甲状腺のカラードップラー画像。右下の緑の部分は甲状腺じゃないから、中央から左にかけての甲状腺の部分は、明らかに右に比べて血流量が少ないように見えます。素人なので意味するところはよくわかっていません。
小生とても心配性で橋本病であることを確定させたかったので、細胞診検査を受けることで腫瘍じゃないことを確定させることにしました。一週間後に検査結果がでてきますが、細胞診で結果が覆らないことを祈るばかりです。
専門医がいる病院の選び方
これはあくまで僕の探し方だと前置きをしておいて、まずは専門医を探すところからはじめます。今回のケースでは甲状腺の専門医を探したい。専門医を探すには関連する学会が認定している専門医名簿から絞り込むのが手っ取り早い。甲状腺に関わる学会なら、ちょっとググれば、日本内分泌外科学会と日本甲状腺学会の 2 つが関連学会だとすぐ見つかる。
ちなみに専門医の上位職として指導医ってのもありますが、多くの場合大学病院などに所属していて紹介状がないと診てもらえないので専門医で探す方が効率がよいと思う。また認定専門医施設名簿ってのも大体の場合公開されてるけど、専門医の方は非常勤医師として他の病院でも勤務してる場合があるので、人で絞り込む方が良いかなと個人的には思ってる。
公開されている 2 つの名簿から、さいたま市近辺の病院に所属する専門医を絞り込むと僅かに 3 名となります。
http://www.japanthyroid.jp/public/specialist/kanto.html
http://jaes.umin.jp/info/data/authorization.pdf
医師名 | 勤務先病院名 |
---|---|
野田 弘志 | 自治医科大学附属さいたま医療センター |
尾本 きよか | 自治医科大学附属さいたま医療センター |
山内 泰介 | 山内クリニック 内科 |
で、先ほど書いたように非常勤医師として働いている場合や、学会の情報が古くて新たに開業して場所が変わった場合などが反映されてないケースがままあるので、ぐぐって調べます。最近は Google Map で調べればとにかく便利。
検索された病院をピックアップすると以下の 4 つでした。このうち 1 つは上記で調べた山内先生とわかりますが、他は情報がないので病院のホームページから情報を拾います。
病院名 | 医師名 | 資格 | 診療分野 |
---|---|---|---|
山内クリニック | 山内 泰介 | 内分泌・甲状腺外科専門医 | 甲状腺診療 |
むらのひがしクリニック | 村岡 東子 | 内分泌代謝科(内科)専門医 | 一般内科, 糖尿病内科 |
新都心レディースクリニック | 甲斐 敏弘 | 日本乳腺甲状腺超音波医学会幹事 | 女性専用の乳腺、甲状腺診療 |
新都心むさしのクリニック | 天野 定雄 | 内分泌・甲状腺外科専門医 | 乳腺、甲状腺診療 |
上記の中から絞り込みをしていきました。今回行くことに決めた病院は新都心むさしのクリニックでした。行かなかった病院は以下のような理由がありました。
- 自治医科大学は紹介状がないと行けないので対象外
- 新都心レディースクリニックは女性専用なので対象外
- むらのひがしクリニックは病院の規模が小さいので対象外
- 山内クリニックは甲状腺専門で、凄くよさそうでしたが行きたい日が休診日
最後にまとめるとこんな観点で病院を絞り込みました。上にある項目ほど優先順位を高くみました。
- 熟練の甲状腺科の専門医に診てもらいたい(⇒学会名簿やGoogleMapで絞り込む)
- 万が一の入院も考えて自宅から通える距離の病院(⇒GoogleMapで把握)
- 明日診てもらえる(木曜日休診じゃない)病院(⇒ホームページから把握)
- 町医者より規模が大きく最新の検査機器を導入している(⇒ホームページから把握)
新都心むさしのクリニックの感想
新都心むさしのクリニックの天野医師は日本内分泌・甲状腺外科学会名簿にも記載がある専門医ですし、最近できた病院で設備も最新のものを取りそろえていたり、病院の規模も大きかったりとホームページを見る限り凄くよさそうでした。また先生の執刀歴も副甲状腺腫瘍 100 件と腕の方も間違いなさそうと思いました。
実際、先生に診てもらった感想としても非常に満足のいく診療だったと思っています。しっかりと納得のいく説明をしていただけますし、細胞診検査のときも非常に丁寧な仕事でした。
なお、この病院は予約患者が優先の診療です。地域でも非常に評判が良いのか、診察待ちの患者数もかなり多いです。初診のときは突撃するしかないのである程度の待ち時間が予想されます。新都心むさしのクリニックのホームページはこちらです。
まぁなんにしろ、本当に安心できるのは細胞診の結果がでてからではありますが、いったんは家族一同ほっとした次第です。
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