GoToトラベル:秘湯玉川温泉に行って日本一の強酸性湯と天然岩盤浴で湯治を体験してきた(湯治編)
こんにちわ、こんばんわ。記憶が薄れる前に頑張って連続執筆中!
秘湯玉川温泉に行って日本一の強酸性湯と天然岩盤浴で湯治を体験してきた(田沢湖編)の続編です。この記事では最終目的地というか今回の旅の主目的でもある玉川温泉湯治編です。
田沢湖一周サイクリングによる適度(過度ともいう)な運動とアルコール効果で、バスは爆睡だろうと予想するも不思議と目は冴えまくり。バスは驚くほどガラガラで自分入れても乗車人数は僅かに 3 人。同乗するご老人たちはどこに行くんだろうな?と思いきや、目的地は皆同じ玉川温泉。景色を楽しみつつ約 2 時間のバス旅を経て 17:23 玉川温泉到着。
同乗してたご老人たちは、妙に荷物が少ないと思ってたら自炊部の方たちでした。まぁ何はともあれ取り急ぎチェックイン。
玉川温泉の宿泊施設
玉川温泉には 2 つの宿泊施設が存在する。今回が宿泊するのは、天然岩盤浴・源泉流にも近く、より湯治気分を味わうことができる玉川温泉の宿。お財布的にも玉川温泉のほうがお値打ちだ。なお、冬期は玉川温泉は休館されるため注意されたい。雪景色を楽しみながらの湯治を体験するには新玉川温泉への宿泊が必要となる。
● 玉川温泉
1934 年開業 公式サイト: https://www.tamagawa-onsen.jp/食事込みの通常の温泉旅館スタイルを取る旅館部、長期滞在・湯治を想定した食事なしの自炊部が存在する。どちらも基本的に共同洗面所/共同トイレ等の簡素なスタイル。プランによっては相部屋あり。源泉に近接し温泉の噴気で電子機器の故障が多発することから、バリアフリー設備やテレビ等も一部を除き設置されておらず、電子機器の持ち込みも推奨されていない。なお全室禁煙、喫煙場所(完全分煙)あり。
冬期(12月〜4月)に国道341号の一般自動車の乗り入れが禁止され、交通遮断されることから、11月30日から来春4月中旬までは冬期間完全休館となる。
・旅館部:11月29日まで
・自炊部:11月23日まで
・日帰り入浴・屋外岩盤:11月29日まで
● 新玉川温泉
1998 年開業 公式サイト: https://www.shintamagawa.jp/湯治で利用はもちろんの事、観光・レジャーでご利用目的でも安心して利用できるよう、バリアフリー設備が完備されている。全室トイレ・テレビ完備、食事込みのいわゆる一般的な温泉旅館スタイル。なお全室禁煙、喫煙場所(完全分煙)あり。
玉川温泉が休館する冬期間も営業。新玉川温泉への交通手段は、積雪による通行規制のためマイカー規制あり。田沢湖駅から発車する路線バスを利用が必要。
玉川温泉の宿泊施設について
まず結論から。個人的には玉川温泉旅館部の設備で十分すぎるほど満足できた。洗面所・トイレが共同設備のため、歯を磨いたり用を足すのに夜移動するのは少々億劫だが、飯も風呂もめちゃくちゃ良いにもかかわらずリーズナブルときたもんだから、むしろデメリットをあまり感じない。
今回泊まった 4.5 畳の一番小さな部屋はこんな感じだ。写真だけを見るとまさに独房と思っていたけど、基本部屋では寝るだけだし、日常から離れるにはむしろこのほうが良いと感じた。窓の向こうに物干し竿が見えると思うが、長期滞在するなら洗濯物も干せるし、洗濯機・乾燥機も完備されているので宿として申し分ない。
こちらが食堂。カフェテリアスタイルだったけどコロナ対策にはめちゃくちゃ気を使っていた。マスク・消毒はもちろんのこと、配膳時にはビニールの手袋が手渡され着用が必要だし、テーブルもアクリル板で仕切られており対面する人との飛沫防止対策がなされていた。ガチの湯治客も結構いらっしゃったので、形だけじゃなくマジもんの対策が必要なのだろう。
メイン料理は肉料理、魚料理から選択式。それ以外の料理は基本的に野菜中心のヘルシー志向。それぞれ日替わりで内容が変わるため、長期滞在のお客様でも飽きる事なく楽しむことができる。ご飯・味噌汁・サラダ・デザートはおかわり自由。正直に言うと、料理にはあまり期待をしていなかっただけに嬉しい誤算。味付けも薄味でめちゃくちゃ美味かった。ここぞとばかり羽根を伸ばして生ビールを追加オーダーしてしまった。初日、二日目と夕飯を頂いたが、どちらもアタリだった。
普段は朝は味噌汁ご飯程度しか食べないくせに、食べ放題なもんだから、どうしてもここぞとばかりに盛ってしまう結果、いつもこうなる。まぁ完全に食べすぎ状態であるわけでして、せっかくダイエットを 2 ヶ月ほど続けているのに湯治から帰ってきたら 1.5kg 増えてたのはモリモリ食べすぎたせいに違いない。
なお廊下はこんな感じで質素な宿特有の雰囲気がでている。自分の部屋と隔てるものはドア一枚なので、観光客が押し寄せる土日は夜結構うるさいと思っておいたほうが正解。音が気になる方は耳栓を盛っていったほうが良いだろう。実際、金曜日はかなりよる静かだったの対して、観光客が押し寄せた土曜日は心無い客が多く結構うるさかった。ちなみに僕はうるさかろうが寝られるタイプなので、毎日 20:00 に就寝、AM 3:00 起床するスタイルをとった。
せっかくなので、いつか来るかもしれない自炊部の炊事場も見に行ってみた。個々にあるものは無料で利用できるが、調理道具や食材は自分で用意する必要がある。自炊部を利用する方々は事前に必要な物資を宿に送付してから宿泊に来るとのことだ。
玉川温泉の温泉施設について
なんとか雰囲気が伝わるよう絵はいろいろ工面した。
まず最初にお出迎えしてくれるのはかけ湯。どちらかといえば、入浴前より、入浴後にかけ湯で酸性湯を洗い流さないと、体がめちゃくちゃヒリヒリしてヤバい。
こちらが長年いつかは来てみたかった玉川温泉。湯治場としての雰囲気をビシビシ感じないだろうか?規模的には酸ヶ湯温泉千人風呂のほうが大きいけど、湯のパワーは圧倒的に玉川温泉のほうが上だ。これは間違いない。
なお夜の顔はこんな感じ。太陽の光が差し込む時間帯と、夜では全然雰囲気が異なり趣が違う。夜は水蒸気がモクモクと立ち込めて霧の中温泉を楽しむ感じで非常に良かった。もちろん朝も昼も全部良かった。
右手前の浴槽だけが源泉 100% で他の浴槽は 50% に希薄された湯となる。pH は数学的には
pH =−log[H+]
という数式となるため、実は 50% 希薄でも pH は相当低い数値のままだ。例えば酸ヶ湯温泉は pH=2 だが、酸性度だけを数学的に考えると玉川温泉の 10 倍希薄に相当する。
まぁ何が言いたいかと言うと 100% 原水浴槽はヤバかったということだ。温泉バカなのでコロナ前は毎週のように温泉に行ってた長湯大好き人間なんだけど、100% 浴槽は 5 分くらいしか入っていられない。同僚情報によれば急所が痛いと聞いていたのだが、どちらかといえばおケツが痛い。おまけに田尻湖で密かに転ん足を擦りむいてたのだが、擦り傷がめっちゃしみてヤバい。加えて天井から落ちてくる雫も酸性湯で目に入ったら焼けるように痛かったので、二回目以降はメガネをしたまま入ることにした。
基本的には、50% 浴槽に 5 分、100% 浴槽に 3 分、弱酸性湯の浴槽に 5 分というローテーションを組んで楽しんだ。個人的には 50% 浴槽が一番好みではあったが、100% 浴槽のパワーは病みつきになる。
玉川温泉で一番好好んで長時間利用したのが、この箱蒸し湯という設備。50〜60℃程度のぬるめの蒸気湯で体を温めるのだが、首から上が外に出ているおかげでサウナのように息苦しくないため、サウナが苦手な人にもこれなら大丈夫ではなかろうか。何故か利用している客はあまりいなかったので、思う存分楽しませていただいた。
なおこの強烈な酸性水を希薄した湯が飲泉コーナーで飲むことができる。味を表現するならレモンを直接かじった感じに似ている。なお当然ながら 50% および 100% の湯船の湯も指にとって味見してみた。50% は超酸っぱいと舌が判断するのに対して、100% は酸味よりも劇薬に触れかのように痺れとして感知するのが衝撃だった。
続いて、屋内岩盤浴。コロナ対策ということもあり、以前はフリータイムがあったが今は 1 時間ごとに予約入れ替え制。基本的に観光客は朝お出かけして夕方帰ってくるようで、日中は予約し放題だった。合計三回利用。天然岩盤浴と違って温度も熱すぎず、消毒清掃も毎時入れ替え前に行ってくれるため衛生面でも安心がある。
寝ござと枕は無料で借りられるけど、タオルケットや汗を書いても良いウェットスーツ(ジャージ)などは用意していく必要がある。なお館内の浴衣での利用は禁止されているので注意が必要。
なお、玉川温泉宿泊客はフロントで新玉川温泉に行きたいと言えばサービスチケットがもらえ無料で入浴が可能。浴槽の種類が若干異なるので、忘れずにどちらも楽しんでおきたい。新玉川温泉はフロントからして観光客向けのきれいな施設ってのが、下の写真でおわかりいただけると思うが、浴槽は新玉川温泉の方も、あえてレトロに玉川温泉側の雰囲気になるように作られていて、正直どちらも大差なく満足できることだろう。
なお、玉川温泉と新玉川温泉は遊歩道で結ばれており 10 分程度歩けば行き来できるが、遊歩道には稀にくまが出没するらしいので、送迎バスでの行き来が推奨されていた。とはいえ、この紅葉の季節、歩いて景色を楽しんでおかねば損というものだ。
玉川温泉地獄谷
今回の湯治旅の主目的の一つは、地獄谷をめぐる玉川温泉自然研究路の散策と天然岩盤浴を楽しむことにある。そのためにわざわざ恥ずかしい思いをしてまで寝ござを埼玉から持ってきたのだ。
玉川温泉自然研究路の入り口はこんな感じ。いやはや地獄谷と呼ばれているが、温泉好きにとっては天国感しかない。
98 ℃の源泉がこうして宿まで運ばれていく。こうした光景を見ると草津温泉は那須温泉のような硫化水素(硫黄)の香りを思い浮かべそうだが、草津温泉ほど臭くはない。
こちらが大噴(おおぶけ)なる場所だ。日本一の強酸性水(PH1.2)が日本一の湯量(9000リットル/分)で湧き出す源泉。言い換えれば 98 ℃の塩酸水が大量に吹き出しているのだからヤバさと底しれぬパワーしか感じない。
この大噴横が天然岩盤浴の人気スポットのひとつ。朝 6:00 に来ても既にご覧のように人がいっぱいいるし、昼も夜も絶えずこの程度の人がいて、いつ来ていつ帰るんだろう?と不思議になるほどだ。ちなみに皆平気そうに寝ているが、ゴザを敷いてもめっちゃ暑かった。場所によって温度が全然違うので、好みの場所を確保して岩盤浴を楽しむのが良いだろう。
風に揺られて大噴から湧き出す蒸気に含まれる微量の硫化水素ガスの吸入により、気道の繊毛を刺激し、粘膜の再生を促進させて、気管支炎や風邪、喘息などに効果があるとのこと。
そしてこちらが地獄谷(個人的には天国谷)にある天然岩盤浴場。これを楽しむためにはるばる埼玉から旅をしてきた。なお超人気スポットに付き、土日は朝 7:00 オープンに合わせて足を運ばないと、あっという間に場所が埋まってしまうので心してかかろう。運悪く満席だたならば見てる限り 1 時間待ちは当たり前状況だった。
ご利用方法はこうだ。天然の岩盤浴に寝ござを敷いて寝る。ただこれだけ。写真を見ておわかりいただけるかと思うが、岩盤は温泉成分で若干湿っているので寝ござだけだと何かが染みてくる。それでもって普段行ってる施設の岩盤浴よりも遥かに地面が暑い。正直タオルケットでは断熱性能が足りず非常に熱かった。
常連客と思われる方々は、しっかり寝袋を持参してきていた。加えて地面が湿ってることも把握済みで、S 字フックて荷物を天井から吊るしている人も多かった。ヨガマット的なものを敷いてる人もいた。勉強になるなぁ〜。
なおテントに入れなかった方々は、その脇でこんな感じで順番待ちをすることになる。冬が近づくにつれて流石に寒いことは容易に想像がつく。
少し離れたところから撮影した地獄谷の景観。あらゆるところで岩盤浴を楽しむ人で溢れており、道にゴザ敷いて寝てる人も結構いた。そういうものなんだろう。
朝方見かけた光景だが、火山活動の水蒸気パワーを活用してゆで卵を作っている地元の人がいた。燻製みたいな風味と味がついて、日持ちも長く、これを食べたら店で売ってるものは食えんとお話されていた。
そして最後を締めくくる絵は、初日、宿についたらすぐに地獄谷を散策して撮影した夕焼けの景色。初日にいきなりこれを体験してしまったので終始テンション上がりまくりの湯治旅だった。
追記
家族に雰囲気が伝わるように LINE に送りつけてた iPhone 撮影の動画を、編集することなく雑に youtube にアップしてみた。
旅の締めくくり
こうして二泊三日の湯治旅を振り返ってみると、初日は田沢湖サイクリングを経て、地獄谷の絶景の夕焼け、二日目はどこへ行くこともなく、ひたすら湯に使っては休憩、岩盤浴をしては休憩、飯を食べては湯に浸かる。という湯治そのものをひたすら堪能する旅だった。少し足を運べば、焼岳登山、八幡平山頂の紅葉なども楽しめたのだが、振り返ってみると今回は急がずゆるりと湯治に専念してよかった。
俺的温泉ランキングも見事に塗り替えられ、今までは pH 11.2 の白馬八方温泉おびなたの湯がお肌すべすべで、温泉は強アルカリ性が最高やわー!と思ってたが、今回ぶっちぎりで他を寄せ付けないほど遠い位置で玉川温泉が一位を奪った。それほど温泉パワーのみならず総合力がすごかった。
この感動を家族にも体験してほしいので、必ず玉川温泉にはまた来ることでしょう。間違いない。
おしまい。
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