SCSI 規格の歴史と次世代規格 SAS(Serial Attached SCSI) のまとめ

CD-R が出始めの頃は、個人向け PC 環境でも SCSI を導入していた人は多数いたのですが、ATA100 規格が誕生してからは個人向け市場からめっきりと姿を消した感じ。 SCSI は CPU に負荷をかけない安定したパフォーマンスで動作可能と言うことで、サーバ市場では Ultra320 SCSI が主流です。

そんな SCSI も既に技術的には拡張の限界がきており、この規格は Ultra320 SCSI で打ち止め。次世代インタフェース Serial Attached SCSI っていう規格が今後の主流になります。簡単の言えば sATA と Fibre Channel の良いとこ取りをしたような規格だそうです。

僕自身も SCSI 環境をいろいろ使ってきましたが、ATA100 製品が出始めたあたりで、SCSI は手放した派です。せっかくなので、SCSI についてイロイロ調べていたら、「一般的なバスの種類(SCSI 等)」なページを見つけました。ってことで、SCSI 規格の歴史の流れを読みやすくまとめてみました。

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種別 規格 最大転送速度 バスIF バス幅 最大接続数 備考
SCSI-1 SCSI 5 MB/sec パラレルSCSI 8 bit 7台 オリジナルの SCSI 1 規格(ANSI 規格 X3.131-1986)。非同期で 1.5 MB/sec、同期で 5 MB/sec までの転送が可能。
SCSI-2 FAST SCSI 10 MB/sec 8 bit 7台 耐ノイズ性に優れたディファレンシャルバスが採用され、最大バス長が 25 m になった。タグキューのコマンドも SCSI 2 で追加された。
WIDE SCSI 20 MB/sec 16 bit 15台 FAST SCSI と同じ技術を 16 ビットの WIDE SCSI パラレルバスに適用。「wide」バスには最大 16 個の SCSI デバイスが接続可能。
ULTRA-SCSI ULTRA SCSI 20 MB/sec 8 bit 7台 従来の同期式のバスは、クロックの立ち上がりと立ち下がりどちらかで同期を取ってきたが、クロックの立ち上がりと立ち下がり両方でクロックを取ることで、利用できる帯域幅を倍にした。
ULTRA WIDE SCSI 40 MB/sec 16 bit 15台 「ULTRA」と同じ技術を 16 ビットの WIDE SCSI パラレルバスに適用。
ULTRA 2 WIDE SCSI. 80 MB/sec 16 bit 15台 低電圧版のディファレンシャルな信号形式(LVD)を採用することで、同期クロック速度を倍にして転送速度を向上している。
ULTRA 160 SCSI. 160 MB/sec 16 bit 15台 DT(Double Transition) クロックにより、同期帯域幅を2倍にしている。追加機能として巡回冗長検査(CRC)が加わり、データの整合性が従来のパリティビットと比べて向上している。またエラー率があまりに高くなると、転送速度を調整するドメインバリデーション(domain validation)が加わっている。
ULTRA 320 SCSI 320 MB/sec 16 bit 15台 クロック速度を倍にして、Ultra 160 の能力を向上。コマンドとステータスを 5 MB/sec ではなくバンド幅のフル速度で送る Packetized SCSI 機能やコマンドブロックを保護する CRC プロテクション等の新機能が追加された、パラレル SCSI 最強最後の規格(ちなみに、ULTRA SCSI 640 は廃案)。

またこの速度になると PCI バスをボトルネックにしないためには、64 ビット PCI バスまたは PCI-X バスが必要になる。
IDE/ATAPI IDE/E-IDE 16.7 MB/sec パラレルATA 8bit 2台 最初のATA 規格は、最大データ転送速度は 3.3 MB/秒で、1 台のハードディスクの最大容量は 528 MBまで。その後、 8.4 GBまで使えるよう改善されデータ転送速度の向上も図られた Enhanced IDE (E-IDE) が策定された。

BIOS によって直接 IO 機能を制御するため、SCSI に比べて簡便で低コストである。
ATAPI 133 MB/sec パラレルATA 16bit〜32bit 4台 一般には、CD-ROM等をサポートしたIDEとして認識されている。最大接続機器数は 2 系統 2 台ずつの合計4台増加し、CD-ROM ドライブなどHDD 以外の機器も接続できるようになった。規格としては ATA-1,2,33,66,100,133 が存在する。

データ転送方式は、CPUが直接IDEコントローラI/Oポートを経由する PIOモードと、チップセットやUIDEコントローラカードに搭載された、専用の高速なDMACを使用して転送を行う DMA モードが存在する。
sATA シリアル ATA (sATA) 150 MB/sec シリアルATA 32bit? 2台 転送速度向上が技術的に困難になってきたパラレル転送方式の ATA 規格の発展形として、信号経路をシリアル化し通信速度向上・ケーブルの取り回しの改善を図った規格。第一世代では1.5 Gbit/sec の転送速度を持ち、3.0Gbit/sec、6.0Gbit/sec が予定されている。

ソフトウェアからは従来のATAと同等に制御できるようエミュレートされる。
SAS シリアルアタッチド SCSI(SAS) 300 MB/sec シリアルSCSI 32bit〜? 128台 シリアル ATA(sATA)の技術を応用したシリアルバスによるSCSI インターフェイス規格。SAS では Serial ATA と同様にインターフェイスカードや HDD などの機器間をポイント・ツー・ポイントで接続するため、パラレルSCSIで見られる信号劣化の心配などがなく、データ転送における高い信頼性が確保できる。1ポートあたり最大3Gbpsの転送速度を持ち、またポートを複数束ねて高速化を図るデュアルチャネル化などがサポートされている。

また、Serial ATAに対して上位互換性を持つのも大きな特徴のひとつ。コネクタ形状はSerial ATAと互換性があり、SASインターフェイスカードにSerial ATA HDDを接続し使用することも可能になっている。
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